行燈の喧嘩「突き合わせ」とは?

『突き合わせ』は夜高祭のメインイベントであり最大のみどころです。

夜高行燈を正面からぶつけ、押し合い、壊し合う行燈の喧嘩(けんか)です。

各町内のメンツと意地を通すための真剣勝負であり、手加減無しの大勝負です。

全力で正面衝突!

2基の夜高行燈は30~40m離れて対峙し、両町内の最高責任者である裁許の笛によって始まります。

全速力で加速した夜高行燈のスピードは日本全国の曳山、山車の中でも最速!激突には何とも言い表せない重く、鈍い衝撃と、台を締め上げる縄が摩擦で焼ける匂いが漂います。

(あまりもの衝撃で縄が発火することもあります)

ぶつかり合った後の夜高行燈は各町内の戦法に則り見事に操られ、押し、煽り、捌き、などなど多種多様な勝負が繰り広げられます。

どうなったら勝ちなの?

突き合わせはスポーツではありません。

審判は居ません。誰かが判定を下すわけでもありません。

決まっていることはただひとつ。

押された方が負けです。

これは、突き合わせが、相手の行燈を力ずくで退かし、道を譲らせるために始まったことがルーツとされるからです。

(昔は道幅が狭く、行燈同士が擦れ違うことができなかった。)

昔は、どうしても下がりたくないという想いから

  • 両脇の電信柱から縄を出して行燈を括り付けた。
  • 逆に相手側は鎌を持ってその縄を切りに行った。

という伝説も残っています。

人の喧嘩ではありません

砺波夜高祭り の喧嘩『突き合わせ』では双方100人近くの曳き子が行燈を曳き合うこともあります。

曳き子同士は激しく交錯し、激突後は正に肉弾戦!!というくらい密集します。

しかし、砺波の突き合わせでは人の喧嘩は起きません。

祭りで人の喧嘩…みっともない!見苦しく恥ずかしい!と思っているからです。

『行燈の喧嘩であって人の喧嘩ではない。』

砺波夜高祭りの曳き子は祭りに対して誇りを持っています。祭りに泥を塗らないためにもスカッと爽快な突き合わせを繰り広げます。

突き合わせが終わった後に相手の町内を称える。そんな潔い光景が見られるのも砺波夜高祭の魅力です

注意事項

突き合わせは夜高行燈と多くの曳き子が交錯します。

モラルを持って見物しなければ重大な事故に繋がる危険性があります。

注意事項①絶対に安全柵 の前に出ないこと

突き合わせ では曳き子 達が全速力で走り抜けます。

曳き子 に巻き込まれ怪我そする恐れがあります。

注意事項②絶対に座って見ないこと

「ピクニックシートで場所を取って~」などとのんびり見物する余裕はありません。

突き合わせ では 行燈 が頭上まで突っ込んで来ることがあります。逃げ場を失いますので必ず立って見物してください。

注意事項③脚立は後方で使用すること

御座等で座ってみる行為同様、脚立の上に立って見物すると逃げ場を失います。